子どもが片づけできない。
子どもとの片づけが上手くいっていない
自分の子どもとの片づけ経験とお客様とそのお子様の片づけをご一緒するうちに、気づいたことがあります。
それは
「親と子どもに片づけのズレがあると上手くいかない」
ということ。
ズレがあるからこそ、「片づけなさい!」というだけでは子どもが片づけできないという事が起こりがちなのです。
私には娘が二人います。
片づけなさい!と怒鳴り散らしたことも、片づけしない子どもたちにイライラが爆発したことも、多くの親が経験するのと同じように経験しています。
今振り返るとそれはまさに娘たちと私の間で片づけのズレがあったからだと思っています。
今でこそ自分たちのモノは自分で管理するようにと片づけを子どもにお任せしている我が家ですが、子どもとの片づけでうまくいっていなかった頃のことについて娘からはっきりと「あの頃は片づけが嫌だった」と言われます…
子どもに片づけさせようと躍起になっている時ほど、片づけ嫌いを作り上げてしまう。片づけさせようとすればするほど子どもは片づけがイヤになってしまう事実。きっとそんな現実を目の当たりにしていて、いったいどうしたらいいの?とお困りの方も少なくないと思います。
子どもとの片づけにお困りの方は、今一度ズレがないかどうか確認してみてください。
誰かに言われたからではなくて、自分で選んで自分でやる、親も子どもも主体的に片づけできるようになるといいですよね。
片づけにズレがあると
「片づけなさい!」という言葉自体はいけないわけではないと思っています。
我が家でも「片づけて!」という言葉を片づけを促すためのサインとして使っています。
ただ、それは「どうやって片づけるか」「なぜ片づけるか」がお互いに分かっている場合に有効な言葉かけであると思っています。そこが欠けた状態では思うような結果にはたどり着かない可能性があるからです。
親が思っていた状態と子どもがやった結果に差があるとイライラが生じます。
例えばこんなことが起こります。
子どもに片づけて!と言ったところ、床にあるモノを集めて収納空間の空いているところに詰め込んでいた
片づけしたよ!と誇らしげな子どもに「こんなの片づけしたことにならない」ってダメ出しをする親。
違うことに置き換えてみましょう。
「いつものようにやっておいて」あなたは上司から仕事を頼まれたとしましょう。
頑張って終わらせたその仕事に「なんだこれ、全然だめだな」ってダメ出しをする上司。
親(上司)が思っていた状態に対して子ども(あなた)がやったことがズレていたということです。
片づけのイライラが生まれるのは現実と理想にギャップがあるからなのです。でもそのイライラの原因、ギャップを認識できるとそのギャップをどうやって埋めていけばいいのか具体的な行動が見えてくるものです。
ありがちな3つのズレ
見直しておきたい片づけのズレは大きくわけて3つあります。
ズレ1:片づいた状態の認識にズレ
あなたが考える片づいている状態ってどんな状態でしょう?
それは子どもが考える状態と違いはありませんか?
そもそも親であるあなたがこれくらい散らかっていても大丈夫、という散らかりの許容範囲をわかっていますか?
ちなみに私は疲れていると散らかり許容範囲が狭くなります💦おかれている状態にも左右されますが、どんな状態になったら散らかっていると思うのか
このズレを確認するには
言葉で話し合う他に
一緒に片づけてその状態を作り
この状態が片づいた状態だよ
と伝える手もあります。
言葉だと理解が難しい小さなお子さんにはこの方があっているかもしれません。
ズレ2:片づけのやり方にズレがある
片づけのやりやすい方法は人それぞれだということを認識していますか?
お子様にとってやりやすい方法を知っていますか?
逆に言えば他人のやりやすさ=自分のやりやすさではないので本に載っていた誰かの収納術が自分にはしっくりこなかった経験がある方はこれがわかるはずです。
これまでやってきた片づけの方法は誰にあっているやり方でしょう?自分がやりやすい方法であれば子どもだってやりやすいはずだと思う親は多いものです。私もかつてはそう思っていた一人です。自分のやりやすさ=他の人のやりやすさではありません。
親子間でもやりやすさは違います。
子どもにとってやりやすいかな、複雑になっていないかな、そんな意識をもって現在の収納をながめてみるだけでも違いますよ。ぜひ確認してみましょう。
ズレ3:片づける理由にズレがある
何のために片づけるのか
片づけの目的がズレていませんか?
今すぐに部屋を片づけてほしいと言われても子どもには片づける動機がないかもしれません。
ヒトが行動に移す時には、それをやることの意義やメリットがないとなかなか行動できないものですよね。
きっと多くの方が考えたことがないと思うのですが、片づけする理由を考えてみていただきたいのです。
キレイにするために片づけるんじゃないの?と思った方やなかなか思いつかない方は、ぜひ片づいた後にその空間でどんなことをしたいか、どんな部屋になっていたらいいと思うのか、片づいたことでどんないいことがあるのか、もう少し具体的な言葉になるように考えてみることをお勧めします。
「私ばっかり片づけてずるい」「子どもが片づけない」と自分以外の誰かを責めるような言葉を吐き出したくなった時にその答えを思い出していただきたいのです。
多くの方が言う「あなたのために片づけて」っていう言葉。あなたのためになるそのメリットってなんでしょう?なぜ片付けするのかという理由になっていますか? 相手にそういいながら嫌々ご自身で片づけをしているとしたら、ちょっと考えてみてくださいね。
片づけなさい!から片づけたい!へ
「考えて自分で動く」流れを作ってあげる
多くの方が望んでいるのは片づけなさい!といわなくても自発的に片づけしてくれることなのだと思います。
片付けなさい!ほど曖昧な指示はないということは明確ですね。
その言葉では具体的に何をしたらいいのかが伝わっていないのです。
子どもに片づけをやらせるよりも親ができることに意識をむけて動くことが結果的に片づけをやる早道でもあります。
3つのズレがないかどうか確認してみるのもあなたにできることの一つです。
子どもと片づけについて話ができるのであれば、まずは親であるあなたご自身の「片づいた状態ってどんな状態か」「あなたがやってきた片づけのやり方ってどんなやり方なのか」「なぜ片づけするのか」を考えてみてくださいね。
大人にとっても、もちろん子どもにとっても「片づけできた!」という経験は大きな自信につながります。その自信がまたやってみよう、と思えるきっかけになります。
そのように片づけをする子どもの様子を見た親は、イライラ口出しせずとも片づけできるから大丈夫だと思えるようになり、片づけなさい!と言わずとも見守ることができるようになります。
その結果、子どもとの信頼関係もあがりますよね。
「片づけなさい!」よりも片づけのズレを確認しながらどうやったら片づけを任せていけるのか、一緒に考えて環境を整えながら現実と理想のギャップを埋めていきましょう。
お子様との片づけのヒントになれば幸いです。
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